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Monday, February 28, 2011

シティーリペア 第二章


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マーク・レークマン Mark Lakeman
今回の【アメリカ北西パーマカルチャー集会】の基調講演者は、ポートランド(オレゴン州)におけるシティーリペア創立者であり建築家でもあるマーク・レークマンさんでした。
僕が初めて『シティリペア』たるものを耳にしたのは、学生時代にオーガナイズしていた「持続可能な生活の教育学」という学生主体のセミナーでマークさんが講演をしてくださった時です。

素晴らしい活動家は世界にたくさんいますが、マークさんは傍聴者を引き込んで新しい世界観をもたせる力を持っています。歴史、文化、現代社会を見つめ直す旅の庶民的カリスマ・ガイドのようでした。われわれの多くが忘れてしまった『村人』としての人間性を思い出させ、公共の場が削ぎ落とされローマ格子状の町と化してしまった現代の『村』のものがたりを彼は切実に訴えます。一般的に、地主の利益や、土地と人々のコントロール(管理)を目的にデザインされた町には、人々の繋がりを育み支える公共の場が設けられていません。
「公共の場は住民を繋げる糊」だといいます。実際、道路を見回してみるとどうでしょう、同じ町で生活をしている多くの人が礼儀正しく速やかにお互いを避けてます。

「・・・中心地が無ければ、住宅地は社会からの心地よい避難場であるかもしれませんし、住民は互いにフレンドリーに振る舞うかもしれませんが、人を結びつける何かがやはり欠けています。共有経験、偶然の出会い、共通の土台、私の家でもなくあなたの家でもない、私たちの共有の場という接着剤」。公益の為に働くコミュニティーは大抵住民が集まれる場がある、そうジャーナリストのグリーンズバーグ氏が書いています。*

最近、中東の反政府革命運動が流行っていますが、アクションや報道が集中しているのはやはり首都などにある公共広場ですね。サンフランシスコなどで参加したデモや「本当にフリーなマーケット(無銭市場)」などもやはり町の中心にある公共広場で行われていました。60年代のバークレー学生運動に習った大学関係者が、僕の母校カリフォルニア州立サンタクルーズ校をデザインした際、中心的な広場をもうけない事で大学の経営を妨ぐようなデモをしにくくしたと聞いた事があります。実際、僕が学生の間は(2001~)実行力のある活動家が沢山いて、反戦、大学従業員の権利、大学費の引き上げ、講師のリストラ、授業数の削減、などと毎月の様にデモがあったものの、インパクトの高い中心的な場がなく苦労していました。デモだけではなく教育プログラムや様々な団体のアウトリーチ活動も困難でした。


プレイスメイキング Placemaking(場所づくり)
そのような現状を変革及ぼすのがプレイスメイキングです。
「プレイスメイキングとはコミュニティーのニーズや資源、文化や歴史、小気候や地理をベースに、共有のビジョンを作る活動を指します。プレイスメイキングは物理的な場を作る事と同じくらい、精神的な所有権(責任感)を持ちスペースを取り戻す活動を指します・・・素敵な場所は利用者によって作られます。専門家はコミュニティーであり、プロはリソースとしてサポートしてもらうのです・・・プレイスメイキングは社会の深い問題に取り組みながら参加型民主主義に貢献するものです・・・犯罪、不安定な地域経済、崩れていく教育システム、家庭崩壊、ホームレス、差別、環境汚染、グリーンスペースの減少などという都市の問題を孤立した状態で取り組む気には中々なれません。しかし、私たちの個人差を超越する共通の場に立つ事によって、繋がりの無い現状を大きく変化させ、結果的に何でも可能なんだという力を与える環境を作り出すのです。」**


シティリペア City Repair
愛知東邦大学経営学部地域ビジネス学科教授の岡部一明さんがシティリペアについて上手にまとめた記事を見つけたので、関心のある方は下のリンクをクリックして参照してください。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/sjohnson/CityRepair.html

僕なりの付け足し。
マークさんはシティリペア草の根運動と、その活動をサポートする同じ名前のNPOを区別していました。
NPOの役割は、都会のスペースを取り戻しコミュニティーの為の場を作ることを可能にするために活動しています。集会やイベントを開催して、よりコミュニティー中心で、エコロジカルに持続可能で、美しい地域に変身させる為の手助けを行っています。トランジションタウン運動の様に、文化、経済、コミュニティーに関する意思や政策決定の地域化を推進しています。NPOの構造も工夫がされていて、自分たちの事をNPOではなく「組織的活動」と称します。ボランティアから成る分散(非中央集権)共同体だそうです。いわゆる「無秩序組織」(chaordic). この考えも中々深く、各活動家の自主性を保ちながら、個人の行動がシティリペア運動のミッションを果たしていることを守る為の工夫のようです。


今後シティリペアとの関わりを深めて研究を進めていこうと考えています。
実は、去年ゲストでブロックス・パーマカルチャー・ホームステッドに来た人がシティーリペアのオーガナイザーで、今年から一緒にブッロクスで研修生生活をすることになっています。ポートランドを訪ねた折に、彼が自転車を6輪も用意してくれ、シティリペア自転車ツアーを行ってくれました。さらに、元ブロックス研修生がマークさんとシェアハウスをしていた為、そこに泊まる事になったというなんともラッキーな展開でした!そのシェアハウス自体、大きなパーマカルチャープロジェクトになっていて、住んでいるメンバーは大体20代のシティリペア等の活動家達です。彼らとマークさんに忙しい中ちょっとだけインタビューもさせて頂きました。みんなとても優しくて寛容な人達でした。感謝。



マークさんの家の近くの交差点です。
交差点リペア第一号。
裸足でジャグリングを学ぶカナダからの活動家達。
カナダのビクトリアでシティリペアを始めるようです。

こだわってますね。
左が24時間のティーステーション。
近所の人が常にお湯、ティーバッグ、きれいなマグを準備しています。
コブのベンチも芸術作品ですね。
屋根の中心はサンルーフになっていて、その周りはリビングルーフ(生きている屋根)です。
その裏は果樹などが生えていています。
ベンチの右に見える車がティーホース(茶馬)だそうです。
イベントなどで日陰を作る羽を広げて(今は畳んである状態)お茶を提供しています。
下のリンクはティーホースが活動している様子です。
http://www.neighborhoodnotes.com/images/posts/0/9/9376_o.jpg

こんな街角どおですか?
食べ物の森と竹やぶに囲まれた薪オーブンとベンチ。
ピザパーティーでもしたくなりますね。
住民がデザインして作った傑作。
因にここは都内の住宅地です。
私有地をコミュニティーに提供する心も素晴らしいですね。

オーブンもかなりこった作品です。
床のタイルアートもすごいですね。
感動が盛りだくさん。

オーブンの屋根でせっかく集めた水を流すのではなく
植物に与えています。
さすがパーマカルチャーオタク達。
オーブンにリビングルーフ!

人魚に誘惑されますね。
こういうベンチをもっと町中で見てみたいですね。手作り最高!
屋根、電気、メッセージボード、祭壇付きです。

シティリペアのボランティアで自転車ツアーをしてくれたサイモン君。来年一緒にブロックスで研修するのが楽しみです。この建物はシェアハウスの裏にあるもので、下がサウナとアウトドアシャワー、上が魔女の帽子でクッションがある子供と大人の遊び場みたいです。壁の模様は自然建築のコードウッド手法による物です。呼吸をする壁。もさもさぶどうも元気に生えていますね。

ガラス瓶を埋め込んだ素敵なコブの壁。

謎のオブジェ。
The Beeという地域のフリーペーパー用のスタンドらしいです。
不思議

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